
冒頭は昨日のタクマ。大きくなりました。30日まで妻の実家に里帰り。会えないのは、抱っこできないのは、笑顔を見ることができないのはつらいですね。で、今回の投稿は研究のお話で、自分へ向けた感じのものだと思います。
昨日、社会心理学会にて10数年ぶりに口頭発表を行った。発表のスタイルは学会によって様々だけど、社会心理学会は口頭発表とポスター発表を選択でき、バリバリの研究者や大学院生は口頭発表を選択することが多い。私は大学院の終わり頃から、ポスター発表を選び続けてきた。それは研究や自分の能力に対する引け目や自信の無さ等ネガティブな理由と、研究発表で交流が深まるというポスター発表自体に対するポジティブな理由の両方のためである。華やかな舞台ではないかもしれないけど、ポスター発表の会場で研究の刺激を受けることが多かった。地道に研究を重ね、その成果を毎年ポスター会場で報告している同僚や先輩や後輩に負けたくないから、私も地道に研究を重ねることができてきたと実感しているぐらい。毎年多忙な大学業務や教育の中、自身の研究をどれだけ進めてこれたかを示す場所でもあったし、同じ観点で頑張っている教員が示してくるものから刺激を受ける場所でもあった。そんな”ポスター族”の私が今年は、あえて口頭発表を選んで、研究成果をアピールしようと思った。
この心境の変化や発表に至るまでの準備を多くの人に支えられたなぁと実感せざるを得なかった。まずは家族の支えが大きかった。15分の発表なのに、何日も準備かかり、パワーポイントとにらめっこしながら、自己嫌悪にさいなまれる中、妻がフォローしてくれて本当に助かった。そして工茉の笑顔が私を強くしてくれた。発表前日まで発表PPTが完成せず、本当に苦しかったけど、実家の両親も含め、私をフォローしてくれて、心のどこかに私がもっとしっかりして支える側にならなきゃいけないのに…という思いもあったけど、献身的に支えてくれた家族愛があってこその今回の発表だった。
たかが学会の口頭発表で大げさなという感想を持たれるかもしれないけど、復帰という選択肢はなかなか重いものだった。ただ、今回は実験結果が良いということよりも、学部生が研究の主体となって得られた成果だということに自信をもって発表しようと決断した。大学の1年生のころから、ひょっとしたきっかけで研究にかかわり続けてくれたり、3年のゼミから卒論に至る過程で一緒に実験をして、議論して、準備してと研究時間を共有してくれたり…苦しいことも多いけど、実験を通じた研究と自身の成長を重ねてくれる学生に恵まれ続けている。それは、研究がメインではない私立大学に属する教員として、ほんとうに幸せだと思うし、そここそ自信を持とうと。だから自信をもって発表に向かった。そして、何より、大学院のころの先輩や後輩、そして、ポスター発表を重ねることで交流が始まった研究仲間に発表を聞いてもらったりして、これも支えられているなぁと。感謝。
今週末は、3年生と4年生と一緒に長野大学との合同心理合宿のため菅平に向かう。明日から3日間、全員発表を課している以上、学生が発表する10数件のポスターと3件の口述発表と、3件の卒論中間報告の資料の指導が待っている。絶対しんどい。今日も発表まで無理したから疲れがどっと出てきている。でも、ここで毎年伸びる学生が多いし、切磋琢磨の始まりの場所。だから、私も指導というより、学生と一緒に切磋琢磨できるように頑張ろうっと。頑張ろうっと。