景色

卒論締め切りの翌日。朝一時間目から授業。その後、会議の連続。なんとか8時に帰宅し、夕食後にすぐ横になるものの、2時間後にはせき込んで目が覚めてしまう始末。明日は午後まで休めるので、眠らずに、ゆっくりといろいろなことを思い出しながら時間を無駄に消費している。でも私には贅沢な時間でもあったりする。

もう20年近く前になるのかなぁ。私の卒論提出日の帰り道を未だに覚えている。

北海道特有の赤と灰色が混ざった夜空に、雪が舞っていた。講座の卒論パーティが終わり、一人大学の構内を歩いた。悔しさと自分へのふがいなさを押さえきれず、何度も立ち止まっては空を眺めた。あんなむなしさに包まれたことはない。ギリギリだった。その後も、ずっとずっと何事もギリギリでいつも何かに追い込まれてしまう。

ただ諦めないことだけに、最後までもがき続けた自分自身に、それにすがっていけた。そして、今があるように思う。

 

この価値観を教育的に押し付けてはいけないと気を付けたりもする。でも、もっとも伝えたいことであったりもする。

今年もいろんなことが起こり、追い込まれそうになった。

体調不良で悔しい思いをした学生もいる。

思うように執筆できずに自信をもてない学生もいる。

全力を出せて納得できた学生もいる。

帰り道、どんな景色だったんだろう。

ただ、みんなが支え合った。競い合った。そして、友を思いやった。

その姿を見ると、次の勇気につながる。

最前線でボロボロになったとしても、最後までもがき、あがき続けること。

押し付けない。でも、身をもって伝え続けていきたい。

 

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