オヤジたちの熱き戦い

先週の東都空手道大会に出場しました。さっき昼食でつけ麺を食べたのですが、アバラが痛くて麺をずっずと吸い込めない。。。ちゅるちゅる麺をすすりながら、感想をまとめなきゃと思ったところです。目に触れることはないかも知れませんが、日曜日に戦った3名の方には感謝の気持ちばかりです。ありがとうございました。

この大会の良さは、主催の団体の影響もありますが、大人がメインの大会です。現在多くのフルコンタクトの大会は子どもの試合が多く、そちらがメインのような気がしますが、この大会は雰囲気が違います。仕事と両立しながら空手を行っている人が多く、紳士的な大人が多いように思います。私は、今年は38歳以上の新人の部シニアクラス(重量級)でエントリーしたのですが、出場者も多く気合が入りました。私は177cm 95kg とがっちりしているほうですが、他の出場者も私以上にガタイがいい人が多かったです。まぁ、40歳にもなって戦うことを選んでいるわけですから、気合の入ったオヤジばかりともいえます。蹴りやパンチも重かった。痛さというより気持ちが入った蹴り、パンチなんだと思いました。

このクラスでは私は若い部類に入るので、本当はスタミナを活かした戦いをすべきでしたが、喘息治療中のため、まったく動けませんでした。2ヶ月前に練習で身に付けたことも全くできず、1回戦なんかは蹴られまくっていました。アバラ逝ったのも、この1回戦の相手の膝蹴りです。自分の気持ちをうまくコントロールできないと、ここまで動けないものなんだと実感しました。何とか右ローキックばかりを使い、相手の反則が大きく影響して勝つことができました。2回戦の相手もいきなり強烈な前蹴りを放ってきてもろに食らいました。これまた右ローに頼って何とか勝ちを拾いましたが、試合後にお礼に伺ったとき、48歳と年齢を教えてもらい、その若きファイトスタイルに尊敬の念を持ちました。

いつも試合の前日、試合会場までの電車の中、試合会場での開会式・・・とずっと緊張が続き、試合直前になると気が狂いそうになるほど高まります。単なる相手に対する恐怖だけでなく、応援してくれる人たちの期待を裏切るのではないかという焦燥感も加わります。いろんなネガティブな感情を全部自分で消化して、試合に臨まないといけないのですが、今回はさらに練習不足と喘息の不安が重なり、自分でもよく1回戦棄権しなかったと思います。わき腹がひび入ったのに、よく2回戦も棄権しなかったと思います。試合前の緊張感は、博士論文の口述試験よりも、初めての国際学会での口頭発表よりも、何よりも厳しく自分にのしかかります。逃げ出したくなるし、なぜ自分はここでこんなに苦しんでいるのだろう、と自問するようにもなります。たぶん、それは私だけでなく出場している多くの選手がこの葛藤に苦しみ、そして試合の「はじめ」の合図が聞こえるとがむしゃらに相手に向かっていくんだと思います。

ここまで試合前の精神を吐露したのは、午後の3回戦、初めて試合前に恐怖感や緊張を少しコントロールして、前向き試合に望めたからです。この対戦相手は、このクラスで一番鍛錬を積んだ選手と思っていました。アップでの蹴りの切れ、余裕のハイキック。私の先生も認めていたぐらいです。お昼を食べ、試合時間が近くなってくると、相手の強さから余計にプレッシャーが強くなりました。体育館脇に一人で横たわり、大音量でマキシマムザホルモンを聞いて自分を高めていました。プレッシャーが最高潮になったとき、逃げたしたいという気持ちが、ここにいて、こんな状態でもここまで勝ちあがれて、強い相手と対戦できる喜びを感じれるようになってきました。同じ道場の選手も、ベストを尽くしてもなかなか1回戦を勝ちあがれない。以前の北海道で通っていた道場の先生から、連続で1回戦負けをして落ち込んでいる私に、1回戦を勝つ重みを教えてくれました。100人出場したら、1回戦で半分の50人が負けて悔しい思いをするんだから、1回戦を勝ち上がることですらみんな必死にがんばるんだと。今回私の道場からも多くの選手が1回戦で負けることになりました。でも私の戦いをサポートしてくれます。初めて恐怖より感謝が上回り、自分のベストを尽くそうと試合10分前に思うことができました。全く練習もしていないのに、午後の準々決勝で強敵と戦えることの幸せ。それを感じて真っ向から勝負しました。

さすがに練習不足がたたり、まったく自分の理想とする組み手ではありませんでしたが、気持ちだけで戦うことができました。普段ならもう負けだと思い、自分に負けてしまいそうな場面でも、こらえて右ロー。相手も右ローが強く、私の左足とアバラは悲鳴を上げていました。モロにわき腹にパンチが入ったときは、息が止まって降参しかけたけど、折れていいや、と即座に右ローを蹴っていました。こんな経験は私には初めてでした。すばらしい相手と対戦できたからだと思います。

普段仕事がら、練習にいけないときは全く練習できません。昨年の練習回数は10回程度かもしれません。でも琉武館の宮脇先生や先輩たちは私を暖かく迎えてくれます。アットホームでそれぞれがいい人です。自分のペースで空手に向き合えるので、これからもがんばっていきたいです。私の妻がおととしの大会を観戦してくれて、道場の人たちを見て一言「いい人ばかりで、ここはあなたに合ってるね」

今まで、北海道の地方大会で準優勝、一昨年の新人の部初級で準優勝と優勝の経験がありません。来年は、優勝を目指して稽古を重ねていきたいと思います。

最後まで長文を読んでもらってありがとうございました。

右ローって?思う人もいると思いますので、一昨年の大会のもになりますが、妻がカメラで取ってくれた動画です。この大会の新人の部はサポーターもヘッドギアも必須なので、ご覧になるとわかりますが、怪我は最小限に抑えられるシステムです。ゼッケンが左によりすぎなのが一昨年の私です。ちなみに一般部になると、ヘッドギアもこぶしのサポータもなくなるので、結構本気にならないと大会に出場することは難しいと思っています。

 

 

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